再発リスクを少しでも下げたい
私の左乳房の悪性腫瘍(がん)は1cm前後で比較的小さめだったため、当初、主治医から提示されたのは左乳房部分切除術でした。でも、私の心は最初から、左乳房切除術(全摘)を希望していました。
全摘を決めた一番の理由は、手術する左胸だけでもがんが再発する可能性を少しでも下げたいという考えからでした。
私が診断されたのは浸潤性乳がんで、乳房だけでなく脇のリンパ節にも転移がある状態でした。これはつまり、精密検査では写らないほどの微小転移が、すでに体中に散らばっている可能性がゼロではないということ。ただでさえある不安の芽を、少しでも多く摘んでおきたかったのです。
また、術前化学療法(抗がん剤治療)の副作用が思いのほか辛かったこともあり、局所再発でまた抗がん剤治療を繰り返すのは極力避けたいという思いも大きかったです。
乳房再建手術の余地を残すため
部分切除ではなく全摘を選んだ理由には、将来的に乳房再建手術の選択肢を残したかったという思いも強かったです。
放射線療法を行うと、乳房再建手術の仕上がりが悪くなる可能性が高まるため、原則として放射線療法がセットになる温存手術(部分切除術)は、自然と私の選択肢から外れていきました。
とはいえ、たとえ全摘を選んだとしても、必ずしも放射線療法を絶対に受けないとは限りません。
例えば私の場合、手術後の病理検査でがんが転移していたリンパ節が2個だけだったので私は放射線療法はありませんでしたが、リンパ節への転移が20個ほどあった母(同じく片側乳房全摘)は、1ヶ月間しっかり放射線療法を受けていました。
形成外科の診察も受けました
乳房再建を検討していたため、院内の形成外科の先生の診察も受けました。
主治医(乳腺科)から、事前に乳房再建についての冊子を受け取り、化学療法(抗がん剤治療)の点滴をしながら説明動画を視聴。後日、形成外科の先生の診察で不明点をいくつかお尋ねしました。
★元の大きさへの再建なら、保険適用の範囲内でできること
(※温存手術後の場合、保険適用での再建は、がんの取り残しや再発があった場合など限定的)
★豊胸(元の大きさより大きくすること)は保険適用外になること
★再建方法は、自家組織(お腹・太もも・背中)を使う方法とインプラントによる方法があること
→自家組織を使う方法の場合、まだ子どもを生む可能性がある私は、お腹の組織を使うよりは太ももの組織を移植するのが良いだろうとのことでした。
★一時再建(乳がん手術と同時に再建)と、二次再建(手術後、月日をおいてから再建)があること
形成外科の先生とお話して、私は「片方の乳房が無くなる喪失感にどうしても耐えられない!」「すぐに再建したい!」というわけではなかったので、一次再建は選択せず、手術の回数や費用面での負担が増えますが、二次再建の余地を残すことにしました。
中京テレビの恩田キャスターのドキュメンタリー動画も参考になりました
豊胸をするなら美容外科?
実は私、もし再建するなら豊胸したいと思っています←
昔から貧乳であることが、少なからずコンプレックスでした…。バストが貧相なせいで、Vネックや上半身のラインが出る服だったり、似合わない服が多いんです…。ファッションを楽しむ上では、ある程度バストがある方が選べる服の幅が広がって楽しそうだなと、ずっと思っていました。
欲を言えば、スーパーモデルのミランダ・カーさんのようなマシュマロボディに憧れていたりしますが、私の体は結構ガリガリなので現実的には…無理ですね(笑)
もし豊胸するなら、左右のバランスを整えるために両胸の施術が必要になりますし、その場合は美容外科での豊胸を検討する形になるのかなと思っています。どうせ保険適用外で費用がかかるなら、見た目や仕上がりにもこだわりたいですし。ただ、その前にまずは先立つものが必要ですが…。
正直、再建をするかどうかはまだ分かりません
術後1年以上が立ちましたが、今もなお再建するかどうかは決めきれていません。というのも、片胸が無くても、今のところそれほど困ってはいないからです。
再建は5年後、10年後、もしかしたらもっと先になるかもしれませんし…必要性を感じなければ結局やらないかもしれません。でも、やろうと思えばいつでもできる選択肢を残しておいたことで、心に余裕ができているのは確かです。
おわりに
これが、私が左乳房の全摘を選んだ理由です。
私の場合、安心して生きるための選択という側面が大きかったように思います。
人によって最適解は本当に様々だと思うので、これはあくまで私一個人の選択の経緯として読んでいただければと思います。
同じように迷っている誰かの参考に、少しでもなれば幸いです☘️
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