乳がん体験記

【乳がん体験記 #5】はじめての抗がん剤と遺伝子検査

病院の点滴チューブと点滴室の様子を写した写真
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この体験記は第5話です。シリーズ全体はこちら▶【https://kinakomilk.com/nyugan00/

はじめに

前回は、治療方針が決まってから準備期間に行ったことを振り返りました。
今回はいよいよ、術前化学療法の初回投与の頃の様子をお届けします。


薬の種類とスケジュール

私の術前化学療法は、次のようなスケジュールでした。

▶︎ 前半3ヶ月

  • パクリタキセル(タキソール)…点滴/毎週12回

  • カルボプラチン…点滴/毎週12回

  • ペンブロリズマブ(キイトルーダ)…点滴/3週間ごと

▶︎ 後半3ヶ月

  • AC療法[アドリアマイシン+シクロホスファミド]…点滴/3週間ごと

  • ペンブロリズマブ(キイトルーダ)…点滴/3週間ごと

  • ジーラスタ皮下注…ボディーポット/3週間ごと


頭皮冷却装置は使いませんでした

脱毛の抑制効果が期待できる頭皮冷却装置について、主治医から使用するか尋ねられました。別途費用がかかるし、極度の冷え性の私には冷却キャップの冷たさが辛そうだったので、あまり迷うことなく使わない選択をしました。

化学療法中に毛髪がほとんど抜けましたが、ウィッグ・ケア帽子・ハットで隠せば気にならなかったです♪


BRCA1/2遺伝子検査を受けた話

術前化学療法中に、主治医から提案されてBRCA1/2遺伝子検査を受けました。
この検査では血液を調べてBRCA1かBRCA2という遺伝子に変異が認められると、HBOC(遺伝性乳がん・卵巣がん症候群)と診断され、治療方針が変わります。私の場合は、

  • 45歳以下で乳がんと診断

  • 60歳以下でトリプルネガティブ乳がん

  • 血縁者に乳がんまたは卵巣がんの人がいる

…という条件に当てはまったので、保険適用となりました。
遺伝子カウンセリングでは家系図を作り、親族の死因や年齢も調べてまとめました。

結果は陰性
(母も同じく陰性)でしたが、もし陽性だったら両胸全摘や卵巣摘出を検討していたと思います。


初回投与の当日

初めての投与は、夫が付き添ってくれました。
採血も診察も混んでいて、がん患者さんがこんなに多いんだと実感。

化学療法室に向かう前に、転移が認められたリンパ節に、目印としてクリップを付けられました。

化学療法センターの待合室での待ち時間は長めでした。
初回投与のため、席はナースステーションに近いところへ案内されました。

抗がん剤はアレルギー反応が出ることもあるので、初回は特に慎重を期します。
先に乳がん治療を始めていた母は、初回投与で血圧が下がり呼吸が荒くなり、すぐに投与中止に…。翌週から別の抗がん剤に切り替わりました。

看護師さんは気にかけてくれますが、ずっと見守ってくれているわけではありません。
「何か変だな」と思ったら遠慮なくナースコール!を、自分の身は自分で守ることが大切です。

私は幸い何事もなく終えましたが、朝から病院にいたのに帰る頃にはすっかり夜になっていました。「これから副作用が来るんだ」と思うと、正直ちょっと憂鬱でした。


投与当日の流れとコツ

化学療法の日は、こんな流れで進みます。

✅ 採血(結果が出るまで約1時間)
✅ 診察
✅ 化学療法室へ移動
✅ 血圧・体温チェック
✅ 吐き気止め・アレルギー予防薬・抗がん剤投与

💡 待ち時間を短くするコツ

  • 朝早く病院に到着(8時前)

  • 何よりもまず採血を先に済ませる

  • 診察待ちの間に昼食を済ませる

  • 診察後はすぐ化学療法室へ

化学療法を受ける場所は椅子ベッドを選べたのですが、点滴は何時間もかかるのと、薬物の副作用で毎回眠気が強く出ていたため、基本的にはベッドを選んでグースカ寝ていました。化学療法中も、本を読んだり作業をしたりして有意義に時間を使いたい人は椅子が良いかもしれません。


点滴の液漏れに注意!

化学療法の期間中、一度だけカルボプラチンが液漏れしてしまったことがありました。
点滴の途中でトイレに行った時に針がずれてしまったことが原因だったようです。

お手洗いから戻った後にいつものようにウトウトお昼寝していた私。30〜40分後くらいにふと点滴をしていた腕に目をやると、なんとコブのような膨らみが爆誕しているではないか!抗がん剤の液漏れだったので、正直「やってしまった!」と思いました。

痛みが全くなく(しいて言えば皮膚が突っ張ったような感じ?)、自分で目視で確認するまで本当に全然気が付きませんでした。驚いてナースコールをし、すぐに対応してもらいましたが、抗がん剤が腕に吸収されて赤みが引くまでに数日を要しました。

それ以来、点滴中は15分おきに自分の腕をチェックする癖がつきましたし、お手洗いに行く際はそれまで以上に点滴をしている方の腕を動かすことに慎重になりました。

自分の身は自分で守る!」こと、かなり大事です。


次回は

次回の記事では、術前化学療法中のリアルな副作用や、私が乗り越えた工夫たちをお話しします!
引き続き、読んでいただけたら嬉しいです🌿

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ABOUT ME
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アラフォー主婦のきなこみるくです。 乳がんの経験をきっかけに、日々の暮らしを見つめ直すようになりました。 がんのこと、美容のこと、家計のこと、そして心と体のこと。 誰かの「ちょっと気になる」に寄り添える場所になりますように。

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